梅雨なんてとっくに終わったと思っていたらここに来て梅雨空が続いています。でも、梅雨空ではなく台風とかの影響で夏でもある普通の雨空の様な気もしますが・・・。もうすぐ梅雨明けですね。
年金法改正による「在職老齢年金制度の見直し」と「厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ」について
6月13日に「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」(「年金制度改革法」)が成立しました。基礎年金の給付水準の底上げや遺族年金の見直しなど、改正項目が多く影響も大きいことからも、世の中の関心は高そうです。今回は、企業に影響のある改正(被用者保険の適用拡大等、在職老齢年金制度の見直し、厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ)についてお話しします。
- 1.被用者保険の適用拡大
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(1)賃金要件(8万8千円、年収106万円)の撤廃:公布から3年以内に全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断実施(1,016円で州20時間労働だと年収約106万円となる)
(2)個人事業所の適用拡大:2029年10月から現状対象外の常時5人以上雇用(農業、林業、宿泊業、飲食サービス業等)が新たに適用となる。雇用者5人未満の個人事業所は対象外のまま
(3)法人企業の規模要件が10年間で段階的に撤廃(現状51人以上):
2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上、2035年10月から10人以下(これで全法人が対象になれいます)
- 2.在職老齢年金制度の見直し
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一定の収入のある厚生年金受給権者が対象の在職老齢年金制度について、支給停止となる収入基準額が51万円(令和7年度価格)から62万円に引き上げられます。施行日は2026年4月1日の予定です。
もともとは、在職老齢年金制度とは、 現役レベルの収入がある者には、年金制度の支え手に回ってもらう観点から、賃金と老齢厚生年金の合計が基準を超える場合に、老齢厚生年金の支給を調整(減らす)仕組みでしたが、現状の社会状況に対応するため高齢者の活躍を後押しし、できるだけ就業調整が発生しない、働き方に中立的な仕組みとすることを目的として見直しされました。
年金支給停止額(月額換算額)=(総報酬月額相当額+基本月額-基準額)×2分の1
この支給停止基準額は、平成17年度(48万円)の制度開始から徐々に引き上げられてきており、今回の改正で、51万円(令和7年度)から62万円(2026年度)になります。
- 3.厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ
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厚生年金保険等の標準報酬月額の上限について、負担能力に応じた負担を求め、将来の給付を充実する観点から、その上限額が標準報酬月額65万円(32等級)から 75万円に段階的に引き上げられます。また、最高等級の者が被保険者全体に占める割合に基づき改定できるルールが導入されます。
実施時期は、 68万円(令和9年9月~)、71万円(令和10年9月~)、75万円(令和11年9月~)と3段階にわけて順次引き上げられます。
高所得者の実態と制度の不整合(現在の標準報酬月額の上限を超える賃金を受け取っている人は、実際の賃金に対する保険料の割合が低く、収入に応じた年金を受け取ることができない)を是正することが改正の背景の要因の1つです。改正により、新しい「標準報酬月額」に該当する方は、足下の保険料も上がりますが将来の年金額が上がります。また、厚生年金制度の財政が改善することで、年金額の低い方も含めた厚生年金全体の給付水準も底上げされることが期待されますね。
現状の適用条件である①51人以上を雇用する企業で働いている、②週20時間以上働いている、③月額8万8千円以上の賃金を得ている、という条件の内下記の通り①、③が撤廃になります。
【厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」】
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こちらをクリックしてください。- 令和7年7月15日
- 茨城県つくば市松野木163-3
- 望月社会保険労務士事務所
- 代表・特定社会保険労務士
- 望月 正也
