029-875-4326平日9:00-17:00(土日祝休)

SRトピックス

HOMESRトピックス

SRトピックス Vol.366

パリオリンピックが始まりましたね。開催地のフランスは日本から見て地球の反対側にある国ですので、決勝とかのメインイベントの時間が日本の真夜中になったりしていて、生観戦のせいで寝不足の方も多いのではないでしょうか?オリンピックでは毎度の事ですが、今回も審判の不可解なジャッジで勝負が決まる種目も多く、IOCには改善を求めたいですね。それ以上に驚いたのが、セーヌ川でのトライアスロン開催です。レース後に10回も嘔吐した選手もいるとのことで、選手の方々の健康被害も心配です。選手の方々の4年間(今回は3年間ですが)の努力を無駄にさせないためにも、審判の方々も技術向上に努めて欲しいものです。頑張れっ、日本!!!

公的年金令和6年財政検証の結果が公表されました

財政検証は「年金の健康診断」ともいわれ、5年に一度、今後100年間の年金財政がもつかをチェックするものです。

1.給付水準の調整終了年度と最終的な所得代替率の見通し

会社員の夫と専業主婦世帯のいわゆる「モデル年金」は、今年度は月額22万6000円で、現役世代の男性の平均手取り収入37万円に対する割合(所得代替率)は、61.2%です。なお、所得代替率は、法律で50%を下回らないことが約束されています。

今の年金制度は、将来に備えて、給付水準を物価や賃金の上昇率よりも低く調整する「マクロ経済スライド」が行われていますが、4つの経済前提ケースで、調整終了年度と所得代替率は以下のとおりとなりました。

  • (1)高成長実現ケース(経済成長率1.6%、賃金上昇率2.0%)→調整終了年度2039年度。所得代替率56.9%。
  • (2)成長型経済移行・継続ケース(経済成長率1.1%、賃金上昇率1.5%)→調整終了年度2037年度。所得代替率57.6%
  • (3)過去30年投影ケース(経済成長率▲0.1%、賃金上昇率0.5%)→調整終了年度2057年度。所得代替率50.4%
  • (4)1人当たりゼロ成長ケース(経済成長率▲0.7%、賃金上昇率0.1%)→これは、2059年度に国民年金の積立金がなくなって所得代替率が50.1%となり、その後は、37%から33%程度まで下がる

私たちにとって近年の実感に近いケースは(3)ですが、その場合の所得代替率は50.4%と、法律による最低保証率をぎりぎり上回る結果となりました。

2.オプション試算

そのほか、次のようなオプション試算も行われています。

  • (1)高成長実現ケース(経済成長率1.6%、賃金上昇率2.0%)→調整終了年度2039年度。所得代替率56.9%。
    • ①企業規模要件を廃止し、5人以上個人事業の非適用業種廃止で90万人拡大すると、調整終了年度2035年度、所得代替率58.8%
    • ②週所定労働時間10時間以上を全ての被用者を適用とする場合は、860万人拡大で調整不要、所得代替率61.2%
  • (2)基礎年金の拠出期間延長・給付増額を行った場合
  • (3)マクロ経済スライドの調整期間の一致を行った場合
  • (4)65歳以上の在職老齢年金の仕組みを撤廃した場合
  • (5)標準報酬月額の上限の見直しを行った場合

の5つのケースについて、それぞれ4つの経済前提の下で試算が行われました。これらが来年の年金制度改正案に盛り込まれる可能性があります。なお、厚生労働省は、(2)の基礎年金の拠出期間延長・給付増額の導入は見送るとしています。

将来が不安視されている公的年金制度ですが、やはり現実として制度を維持していくためには、将来的に所得代替率を下げざるを得ない様です。

【厚生労働省「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)】

こちらをクリックしてください。

【望月社会保険労務士事務所 SRトッピクスPDF版ダウンロード】

こちらをクリックしてください。
  • 令和6年8月1日
  • 茨城県つくば市松野木163-3
  • 望月社会保険労務士事務所
  • 代表・特定社会保険労務士
  • 望月 正也