今年の10月1日から、従業員が101人以上いる会社は週の労働時間が20時間以上で、月収が8万8千円以上のパート社員も社会保険に加入させなければならなくなります。これは、単に会社の負担が増えるなどという簡単な問題じゃ無いですね。新しく社会保険加入対象になる方々は、殆どが基本的にご主人の扶養の範囲内で働きたいと考えている方ですので、これを機に今の会社を辞めて従業員数100人以下の会社に転職する可能性が非常に高いと思います。特に介護系の会社は、ただでさえ慢性的な社員不足の状態ですので、101人以上の会社は早めに対策を取らないと大変な事になりそうです。この法改正を考えた方々は、こういう可能性までちゃんと考えたのかどうか、聞いてみたいです・・・。
「パラレルキャリア/副業」について~エン・ジャパン調査結果から
- 1.「パラレルキャリア」と「副業」の違い
-
「パラレルキャリア」とは、P・Fドラッカーが提唱したものだそうで、「本業を持ちながら、第二のキャリアを築くこと」と定義されています。スキルアップや自己実現、社会貢献などを目的に、本業を持ちながら別の仕事をすることを指します。一方で「副業」は、金銭的な報酬を目的に本業とは異なる仕事をすることとされています。
- 2.実態調査について
-
エン・ジャパン株式会社は、運営するミドル世代のための転職サイト上で、サイトユーザーを対象に「パラレルキャリア/副業」についてのアンケートを行い(2022年1月5日~同年3月28日)、2,250名の回答をもとに調査結果をまとめています。今回は、その調査結果の中で注目すべき点を取り上げます。
- 3.調査結果の概要
-
実際に「パラレルキャリア/副業」を行っている人の割合は34%と、2年前の調査よりも8%上がっています。始めた理由については、「収入の柱を複数持ち経済的に安定するため」が最も多く(58%)、次いで「本業では得られない経験やスキルを得るため」との回答が38%ありました。
(1)具体的な活動内容は、
- ①「本業以外の単発の仕事」(39%)
- ②「本業以外の長期(3か月以上)の仕事」(30%)
- ③「株式投資」(22%)
(2)得られた年収としては、
- ①1位・・・「20万円未満」(36%)
- ②2位・・・「50~100万円未満」(14%)
- ③3位・・・「30~50万円未満」(11%)、「100~200万円未満」(11%)
となっています。
「パラレルキャリア/副業」を行っていない人に、興味の有無を聞いたところ、87%が「興味がある」と回答しています。そして、今後の働き方として、68%が「本業以外にも第2の仕事・活動」がしたいと考えていることがわかりました。
また、88%が「パラレルキャリア/副業が許可されている企業は転職先として魅力的」だと考えていることも明らかとなりました。
副業を禁止している企業は依然として多いと思いますが、働く側の約9割が副業を許可している企業に魅力を感じている様です。自由な働き方が求められる今、就労制度の見直しを迫られる日はそう遠くないのかもしれません。まあ、その時は法改正もしっかり行って欲しいですよね。
【エン・ジャパン「「パラレルキャリア/副業」について(2022年版)」】
こちらをクリックしてください。【望月社会保険労務士事務所 SRトッピクスPDF版ダウンロード】
こちらをクリックしてください。- 令和4年5月15日
- 茨城県つくば市松野木163-3
- 望月社会保険労 務士事務所
- 代表・特定社会保険労務士
- 望月 正也