望月社会保険労務士事務所

緊急事態宣言が解除されて2週間が経過しましたが、新型コロナの感染者数は増加に転じるどころか益々減少していますね。非常に嬉しい事ですが、急激な減少に転じた要因はやはりワクチン接種なのでしょうか？巷では第6波が来ると言われてますが、せめて年末年始までは今の状況であって欲しいものです。少人数でも良いから、2年ぶりに忘年会がしたいですね！！

1.支払われた割増賃金の平均額　1企業当たり658万円

厚生労働省は、「監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)」として、労働基準監督署が監督指導を行い、令和2年度(令和2年4月から令和3年3月まで)に不払いとなっていた割増賃金が支払われたもので、支払額が1企業当たり合計100万円以上である事案を取りまとめて公表しました。

これによれば、是正企業数1,062企業(前年度比549企業の減)、対象労働者数は65,395人(同13,322人の減)で、支払われた割増賃金の平均額は1企業当たり658万円、労働者1人当たり11万円にのぼりました。

2.割増賃金合計額は前年度比28億5,454万円減

業種別の企業数で比較すると、製造業が215企業(20.2%)、商業が190企業(17.9%)、保健衛生業が125企業(11.8%)と上位を占めています。

また、業種別の対象労働者数で比較すると、製造業が19,786人(30.3%)、保健衛生業が9,614人(14.7%)、接客娯楽業が8,324人(12.7%)と1位は変わらないものの、2位以下が業種別とは違う順位となっています。

因みに、接客娯楽業は業種別では67社(6.3%)で全体順位では第7位にありますので、接客娯楽業での割増賃金遡及支払対象人数が他業種に比べて突出していることが分かります。

支払われた割増賃金合計額 は69億8,614万円で前年度比28 億5,454万円の減と大幅に減少していますが、コロナ禍における様々な影響が少なからずあると考えられますので、今後どのような傾向となるかは引き続き注視する必要があります。

3.改めて労働時間管理の確認を

厚生労働省は、あわせて「賃金不払残業の解消のための取組事例」についても紹介しています。そこでは企業が実施した解消策として、

• ①代表取締役等からの賃金不払残業解消に関するメッセージ(労働時間の正しい記録、未払賃金の申告)の発信
• ②管理職に対する研修会の実施、
• ③定期的な実態調査等

が挙げられています。

厚生労働省では、引き続き賃金不払残業の解消に向け、監督指導を徹底していくとしています。企業においても改めて適切な労働時間管理方法や自社の現況については確認したいところです。

【厚生労働省「監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)」】

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