SRトピックス Vol.230
プロ野球のストーブリーグが今年は暑いですね。西武の浅村選手、オリックスの西投手、広島の丸選手を始め各チームの主力級の選手がFA宣言しており、浅村選手は楽天への入団が決まったとのことです。主力級の選手がFAで他チームに行けば、FAで出て行かれたチームはその見返りにFAで入団したチームから選手を交換に貰えることになります。案外、そうした選手が翌年新しいチームで大活躍したりしますので、その選手にとっても良いチャンスかも知れません。さてさて、来年のプロ野球はどんな勢力図になるのでしょうか。丸選手、巨人に来てくれないかな・・・。
パワハラ防止対策、厚生労働省は法制化を検討
- 1.労使の主張は依然平行線だが…
- 11月6日の第10回労働政策審議会雇用環境・均等分科会で、職場のパワハラ防止対策について、厚生労働省は3つの案を示しました。案のうち、
- (1)パワハラ行為を禁止して加害者への損害賠償請求をできるようにする
- (2)事業主にパワハラ防止措置を義務づける
- 2.事業主にはどんな防止措置が求められるのか
- 6日の分科会では、今年3月30日公表の「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会報告書」より抜粋して、
- (1)事業主の方針等の明確化、周知・啓発
- (2)相談等に適切に対応するために必要な体制の整備
- (3)事後の迅速・適切な対応
- (4)(1)~(3)の対応と併せて行う対応としてプライバシー保護や相談・協力者の不利益取扱い禁止
- 3.労災認定件数にみるパワハラ問題
- 2017年度の精神障害に関する労災補償状況をまとめた資料によれば、請求件数は1,732件で前年度比146件増、支給決定件数は506件で前年度比8件増です。このうち、出来事別の決定件数は「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が186件、うち88件が支給決定され最も多くなっています。対人関係では、「上司とのトラブルがあった」も320件と決定件数が多く(支給決定は22件)なっています。6日の分科会での公益委員の意見も、こうした資料を踏まえたものと考えられます。
- 4.相談体制の強化も図られている
- 厚生労働省の「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によれば、相談、助言・指導の申出、あっせん申請に係る件数のすべてで「いじめ・嫌がらせ」が72,067件で最も多く、同省は2019年度より都道府県労働局の相談員を増やし、夜間や休日も対応する相談窓口を設けて相談体制を強化するとしています。
企業においては、行政がパワハラ問題防止に力を入れていることだけでなく、社員の採用や定着に影響することも踏まえ、対策を検討する必要がありますね。
- 平成30年12月1日
- 望月社会保険労務士事務所
- 代表・特定社会保険労務士
- 望月 正也