望月社会保険労務士事務所

気づいてみればもう年末。あと2週間で今年も終わりです。1年間、大変お世話になりました。今年の冬のボーナス(ボーナスというものが無い私の様な個人事業者から見ると、大変羨ましいです！)は、大企業も中小企業も昨年並みの様です。増税増税で嫌になりますが、年末くらいはパアッと財布も紐も少し緩めてみては如何でしょう？来年も皆様にとって今年以上に良い年になりますように。皆様、良い年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。

1.100人以上300人未満企業の賃上げ実施率は「85.6％」

厚生労働省が11月下旬に公表した「平成29年 賃金引上げ等の実態に関する調査」によれば、「1人平均賃金(所定内賃金の1人当たり平均額)を引き上げた」と回答した100人以上300人未満企業の割合は85.6％で、前年(84.4％)を上回りました。

全企業では87.8％が引上げを実施しており、こちらも前年(86.7％)を上回りました。

業種別では、電気・ガス・熱供給・水道業の97.6％が最も高く、建設業(97.1％)、製造業(95.7％)が続きます。

2.改定額は？

改定額は、企業規模によって幅があります。全企業では5,627円ですが、5,000人以上企業では6,896円、1,000人以上5,000人未満企業では5,186円、300人以上999人未満企業では5,916円と、いずれも5,000円を超えました。

100人以上300人未満企業では4,847円でしたが、前年(4,482円)を上回りました。

業種別では、建設業(8,411円)が突出して高く、不動産業、物品賃貸業(6,341円)、情報通信業(6,269円、製造業(6,073円)が続きます。

3.改定率は？

改定率は企業規模による差異は小さく、全企業で2.0％、100人以上300人未満企業でも1.9％でした。

改定率でも、改定額と同じ4業種が2.5～2.1％で高い結果でしたが、生活関連サービス業、娯楽業、医療、福祉でも2.1％となっています。

4.改定に踏み切った理由は？

調査結果によると、100人以上300人未満企業で賃金改定にあたり最も重視した要素は「企業の業績」(55.8％)でしたが、参考値となっている全企業の複数回答計の上位3つは、「企業の業績」(65.8％)、「労働力の確保・定着」(34.0％)、「雇用の維持」(28.5％)でした。

人手不足等により、やむを得ず賃上げに踏み切った企業もあるかと思いますが、平成30年度税制改正では、所得拡大促進税制を拡充し、中小企業が1.5％の賃上げを実施した場合に給与増加分の15％を法人税額から差し引けるようにする案が盛り込まれる見通しで、こうした施策の活用を検討する企業が増える可能性があります。何にしても、社員が「手取りが増えた！」と実感できる様にしたいものですね。