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SRトピックス Vol.194

広告大手の電通が電通東日本(東京)など広告大手の電通の子会社5社が社員に違法な長時間労働をさせたとして、労働局から是正勧告を受けたことを明らかになりました。電通では、長時間労働を巡って昨年12月に法人としての電通と幹部社員1人が労働基準法違反の疑いで書類送検されており、今年4月にも法人としての電通と支社の社員3人が書類送検されています。今や、すっかりブラック企業の代名詞になってしまった感のある電通ですが、企業風土は子会社にもしっかり受け継がれるんですね。

「年金受給開始年齢の引上げ」「定年延長」…自民党提言案の概要

1.年金の受給開始が70歳以降でも可能に?

自民党は政府に対する提言をまとめ、公的年金を、70歳を過ぎても受け取れるような選択が可能な制度を導入することを盛り込むことがわかりました。

現在の受給開始年齢は原則65歳ですが、60歳から70歳までの間で受給開始時期を選ぶことができ、繰り上げれば減額、繰り下げれば増額となる仕組みとなっています。

今回の提言では、希望すれば70歳を過ぎてからの受給開始が可能になり、そのぶん年金額が増額になる制度を導入し、高齢者が働ける環境の整備や年金財政の安定を目指すとしています。

2.65歳までは「完全現役世代」

また、上記の提言では、2025年度までに公務員の定年年齢を65歳までに延ばすことを求め、65歳までを「完全現役世代」、70歳までを「ほぼ現役世代」として働ける社会を推進するとしています。

60歳の定年後に再雇用される仕組みではなく、新たな職域としてそれまでの経験や知識を活かした仕事や社会活動などを求めるとしています。

これらの提言は、政府が今年6月頃に決定する予定の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)などに反映される予定です。

3.「高齢者」の定義が変わる?

日本老年学会などは今年1月、現在65歳以上と定められている「高齢者」の定義を75歳以上に引き上げ、前期高齢者とされている65~74歳は「准高齢者」と区分すべきとする提言と発表しました。これは、同学会が10年前に比べ現在の65歳以上の人の知的・身体能力は5~10歳は若返っていると判断したことによるものです。

労働人口が減少する中、如何に労働力を確保して行くか国としての大きな課題であり、阿部政権が「1億総括役社会」を標榜して女性の社会活躍の場を増やそうと躍起になっています。日本老年学会の提言は高年齢者の労働力の確保に大きな弾みを付けるもので、近い将来65歳を過ぎても現役で働く「准高齢者」が増えることで、彼らが社会保障を「支える側」に回り、活躍する日が現実になるかも知れません。

でも折角体力が若返ったのなら、体力がある内に現役を終わり、残された人生を自分の趣味等でゆっくり楽しみたいですね。

  • 平成29年5月15日
  • 望月社会保険労務士事務所
  • 代表・特定社会保険労務士
  • 望月 正也