望月社会保険労務士事務所

政府は令和5年12月22日、少子化対策をまとめた「こども未来戦略」を閣議決定しました。今後3年間の集中的な取組みである「加速化プラン」には、「共働き・共育ての推進」が盛り込まれています。具体的な内容は次の通りです。

1.育児休業の取得促進

• (1)2週間以上の男性育休の取得率を2030年に85％へと引上げ。
• (2)次世代育成支援対策推進法を改正、一般事業主行動計画に数値目標の設定、PDCAサイクルの確立を定め、育休取得から円滑な職場復帰までの支援、勤務時間や勤務地への配慮等を盛り込ませる。
• (3)育児・介護休業法における育休取得率の開示義務について、常時雇用する労働者数が300人超(現状1,000人超)の事業主に拡充し、有価証券報告書における開示を進める。
• (4)産後8週間以内に両親が14日以上の育休を取得した場合の給付率を手取り10割相当(現状8割相当)に。
• (5)代替要員確保等の体制整備を行う中小企業への助成措置を大幅に強化。
• (6)「くるみん認定」の取得など、育児休業の取得状況等に応じた実施インセンティブの強化。

2.育児期の柔軟な働き方の推進

• (1)テレワークの努力義務化…こどもが3歳まで。
• (2)「親と子のための選べる働き方制度(仮称)」を創設・・・こどもが3歳以降小学校就学前まで、フレックスタイム制を含む出社・退社時刻の調整、テレワーク、短時間勤務制度、保育施設の設置運営等、休暇から、事業主が複数の制度を選択して措置し、その中から労働者が選択できる制度。
• (3)「育児時短就業給付(仮称)」を創設・・・こどもが2歳未満の期間に時短勤務を選択した場合、短時間勤務時の賃金の10％を支給。体制整備を行う中小企業に助成措置を実施。
• (4)所定外労働の制限…こどもが小学校就学前(現状3歳未満)までに引上げ。
• (5)子の看護休暇・・・こどもが小学校3年生修了時(現状小学校に入る前まで）までに引上げ。休暇取得事由の見直し。

3.多様な働き方と子育ての両立支援

• (1)週所定労働時間10時間以上20時間未満の労働者も失業給付や育児休業給付等の受給対象者へ(雇用保険の適用範囲を拡大）
• (2)国民年金の第1号被保険者(自営業者）を対象に育児期間に係る保険料免除措置を創設。